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みんな知りたい! 組合運営お役立ち情報
提供:「マンション住・人」(株)有朋社
あなたの1票がマンションの行方を決める!
マンション管理センターが担当するマンション管理を初歩から学ぶ入門講座・2
前回は、基本中の基本「マンション管理とは?」というお話をしました。
今回は、あなたのマンションの行く末を決める一番重要なポイントに切り込んでみたいと思います。
主役は「あなた」です。

 マンション管理における「あなたの1票」とは?

議決権

 「あなたの1票がマンションの行方を決める!」なんて、選挙ポスターのコピーのようなタイトルですが、「あなた」とは誰のことで、「票」とは何をいうのでしょう。
 マンションの管理は、区分所有者全員が組合員となる「管理組合」が行い、組合員全員の「総会」で意志決定することは、前回でお話ししましたね。従って、「あなた」とは区分所有者の皆さんのことです。
 そして、「票」とは総会における「議決権」のことです。「議決権」は、「区分所有法」では、原則的に共用部分の共有持分割合」で決まり、これは通常、各区分所有者の専有部分の床面積の割合に比例しています。しかし、これを厳密に扱うと、かなり桁が多い数字の分数計算になり、総会の場で採決のたびに電卓片手に面倒な計算をするのは大変なので、各戸の床面積のあまり差がない場合は1戸1議決権というように規約で決めている管理組合がほとんどです。
 この「1議決権」が、まさにあなたの「1票」です。

 「総会」で「決める」ということは?

 マンションを共同で管理していくにあたり、「重要なことは区分所有者が集まって話し合って決めなさい」というのが「区分所有法」の基本スタンスです。その話し合って決める場が「総会」です。「総会」は、あなたの大事な資産を守り、快適に暮らしすために、とても重要なものです。
  当マンション管理センターにはトラブル相談がたくさんよせられます。その多くは、区分所有者の皆さんが、自分のマンションに関心を持って、総会にきちんと出て、管理の内容を確認し、話し合いに参加していれば、こんなに大問題にはならなかったのに…というものです。いつの間にか修繕積立金が使い込まれてしまっていたとか、滞納管理費が回収不能になってしまったといった深刻な問題も根は同じです。
  では、「総会」で話し合い、最後に「決める」ためには、具体的にどのような手続きが必要なのでしょう。
  例えば「規約の変更」のように特に重要なこと(特別多数決議事項)は、「区分所有法」の定めで区分所有者全体の「3/4以上の賛成」がなければ決められません。また「予算」や「役員の選任」のような通常の議題(普通時議事項)は「過半数の賛成」で決められます。しかし、区分所有者全体の過半数となると、反対者がごく少数でも欠席者が多いために物事が決められなくなってしまう可能性があるので、これを防ぐため、規約で「総会に出席した人の議事権の過半数」で決めるというように定めている場合がほとんどです。

※「区分所有法」では、普通決議事項は区分所有者の総数と議決権総数の双方の過半数を満たす決議によって決めることが原則となっていますが、管理組合が規約によりその条件を変更することができます。

 「総会」に「出席」するとはどういうこと?

 さて、では「出席」とはどういうことでしょう。普通は本人が実際に参加することだと思いますね。しかし、「区分所有法」では、総会に出席できない人に意思表示も尊重するために、代理人に出席してもらうこと、書面に賛否を書いて総会前に提出することを認めています。一般的に、前者が「委任状」、後者が「議決権行使書」といわれるものです。これらも「出席」の数に入れ、賛成が出席者の議決権の過半数になるかどうかをカウントします。
  ここでよく問題になるのが「委任状」の扱いです。「委任状」は、本来、代理で出席する人が、「組合員Aさんに確かに委任されました」ということを証明するために提出するものです。奥さんに代わりに出てもらうとか、同じ意見を持つお隣のBさんに自分の1票も託すというときに使うものです。ですから、「委任状」で重要なのは、「誰が」「誰に」委任したかということです。
  皆さんは、「委任状」に「誰に」委任するかをちゃんと書いていますか? 「総会に出られません」という欠席の返事くらいの意味で、総会で話し合う内容もよく分からないまま、「相手を記載していない委任状」を提出してはいませんか?

 「委任状」は議長次第で賛成票にも反対票にもなる

 このように、代理人によって意思表示する権利が、内容も分からないまま提出する「委任状」に姿を変えていることが問題となります。実際には、「委任状」のほとんどが「誰に」委任すかの記載のない、議長一任の委任状です。総会参加者が少なく議長にたくさんの「委任状」が集まると、総会前に「委任状」だけで結論が出てしまい、総会の場で参加者の大多数が反対しても結果は覆らないということになってしまいます。
  これでは、「区分所有法」が、必ず「総会」を開き、皆で話し合って決めなさいといっている趣旨に反してしまいます。ただでさえ総会の参加者が少ないのに、総会前に結論が出ているようでは、「総会に出ても意味がない」とさらに出席者が減ってしまいます。このような「委任状」では、自分の意志で1票を投じたとはいえません。
  では、このように決議の行方を決めるキー・パーソンとなる「議長」には誰がなるのでしょう。
  一般的には、「理事長」が「議長」を務めることが規約に定められています。しかし、「議長」に中立性を求め、総会でその都度、出席者の中から選出している管理組合もあります。
  総会で議長を選出する場合は、委任状を提出している時点で誰が議長になるのか分からないのですから、実質的に「白紙委任状」です。たいていは、理事会提案に沿う形で進行してくれそうな人を議長に押すでしょうが、うまくいくとは限りません。議長に選出された人が、突然クーデターのように反対側にまわって、自分あての「委任状」すべてを反対票に投じてしまうこともある訳です。「委任状」は、提出した人の意志とは無関係のところで、まさに”政争の具”とされてしまうこともあるのです。

 マンション管理の行方を決めるのは「あなた」です

 出られない訳じゃないけれど、面倒だからお任せにしようと「委任状」を提出するのは、あなたの大事な1票を無駄にするばかりか、結果的にマンションの管理の行方を危うくする方に荷担することにもなりかねないのです。
  年1回の総会ぐらいは、万難を排して、家族の誰かが出るようにしましょう。そして、報告や提案を聞き、分からないことは質問し、話し合いに参加することがとても大事です。
  どうしても都合がつかない場合は、親しい隣人に委任するか、提案内容が分かっていれば、賛否を書いた「議決権行使書」を提出することを考えましょう。
  「議決権行使書」は用紙が配布されなくても、議案ごとに賛成か反対かが分かるように記載し、日付と部屋番号を書いて署名押印したものを理事会に提出すればよいのです。
  また、出席できない場合は「委任状」を必ず提出しなければならないと誤解している方がいますが、「委任状」の提出は強制されるものではありません。無関心はいただけませんが、内容が分からない場合は「委任状」を提出しない自由をもあります。
  マンションに何か大きな問題が発生したときに、ほとんどの組合員は「自分は何も知らなかった。悪いのは管理会社や役員だ」と言います。しかし、役員もやらず、総会にもほとんど参加しなかった人は、本当に被害者といえるでしょうか。管理会社の怠慢や、役員の不正や、大事なお金の無駄遣いを呼ぶのは、「あなた」の無関心です。今後、マンションをどのように維持管理すれば、資産価値を維持し、暮らしやすい住環境を守ることができるのか…。あなたのマンションの行方を決めるのは、まさに「あなたの1票」なのです。

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