はじめてみよう!マンション広報誌(その1)

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皆さんのマンションでは、「○○○新聞」「○○○通信」など、マンション内のイベントや出来事を伝える広報誌は発行されていますか?
活発なマンションでは、住民の代表で運営している“マンション管理組合”や、私設の編集部が楽しい誌面づくりに日夜励んでいたりします。

実は、この“マンション広報誌”、マンションのコミュニティを育たせるきっかけや、管理組合の考えを住民へ広める重要なツールなんです。
そんな “マンション広報誌” を制作する上で、皆さん口にされるのが 「どのように制作すればいいの?」 ということ。

そこで今回から3回に分けて、情報満載のカラフルで楽しい誌面『パークシティ武蔵小杉SFT通信』の編集長(広報委員会委員長)を務められている、本平 基(ほんだいら もとい)さん(本職:デザイナー&カメラマン・元管理組合理事長)のお話をご紹介します。本平さんが考える、“マンション広報誌”制作とは、一体どのようなものなのでしょうか。

パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー

[所在地] 東急東横線「武蔵小杉」駅
[建物]地上47階地下3階
[入居開始]2008年10月
[総戸数]643戸
[管理会社]
三井不動産レジデンシャルサービス

パークシティ武蔵小杉ステーションフォレスト通信

[発行頻度] 不定期発行(だいたい隔月)
[サイズ]カラーA4 1枚
[配布方法] 共同郵便受け付近掲示板にカラー版掲示。 コンシェルジュデスクにて白黒版無償配布。 マンション専用ページよりカラーPDF版ダウンロード。
[発行開始]2011年8月
[編集メンバー]3名(2014年4月時点)

“マンション広報誌”を作ろうと思ったきっかけは?

編集部:
どのような経緯で作ることになったんですか?

本平さん:
前任の理事長が、防災やコミュニティなどたくさんの委員会を立ち上げたんですよね。その頃からクリスマス会や七夕などの行事が次第にマンションで行なわれるようになって、その告知や住民への報告をしたいというお話を受けました。
そこで、マンション報のようなものを作ってくれないか?という話になり、SFT通信を作ることになりました。

編集部:
それ以前のイベントの“お知らせ”ってどうしました?

本平さん:
マンションの管理会社や各委員会がWordやPowerPointで掲示物を作っていました。でも、人を集める目的のものしては地味なものが多く、イベントが面白そうに見えなかったんです。それなら自分で作ってみようかなって……。
ちょうど理事長になった時期に色々な委員会に顔を出すようになって、お試しでイベントポスターを作ったら 結構好評だった という訳です。
フリーのイラストをいれた簡単なものですが。ちなみに今では委員会のメンバーでもデザイン性のあるポスターを作れており、私が手を動かすことは減っています。

編集部:
広報誌の話に戻りますが、最初はどのような作り方を考えていたのですか?

本平さん:
実はそもそもの話として、前任理事長から私に声がかかったのはIT委員会を作ろうという話だったんです。
その時集まったメンバーは私を含めて4人だったのですが、みんなSE(システムエンジニア)の方ばかりで。話の中で、情報発信の話が出て、IT関連の人が多かったので、ITツールを使って情報配信しようと考えていたんですよ。
でもITツールだと、デジタルデバイドが発生し、シニアやお子様には厳しいと。
そこで前任理事長からの鶴の一声が
「そういえば本平さん、新聞みたいなのがあったらいいね。」っていう話の流れになって。

編集部:
ITツールでなく、印刷物に……。制作作業を全部かぶっちゃいましたね。

本平さん:
デザインできるのが、私だけだったんですよね。それで、最初に作ったのがこの『発行準備号』です。

編集部:
どのような内容なのですか?

本平さん:
七夕の飾りつけの様子や、ラウンジのメニューにカキ氷が入ったこと、ホームページに新しい機能を入れた、というお知らせが中心ですね。あとは、委員会やワーキンググループの参加者を募ったり、防災設備体験会のお申し込みはお早めにっていう内容を盛り込んでいます。

編集部:
皆さんの反応は?

本平さん:
フロントに『発行準備号』を出していたら、200枚くらいなくなっていました。うちのマンションは647戸あるのですが、それを考えると「結構、読まれているんだな」と思って、それで不定期の会報誌を作ろうと。定期発行だとね、ネタが……。なので、目安で月1~2ヶ月に1回くらいのペースにしようということになりました。それから、準備号から2週間後に第1号を発行することに。

編集部:
やる気満々ですね。

本平さん:
最初はネタがたくさんあったんですよね。例えば、違法駐車対策にプランターを置きましたとか、ホームページの機能を増やしましたとか。
当初から一貫していたのは、文字を大きくして写真中心にすることです。文章だと読まないと内容がわかりませんが、写真やイラストは一発で内容が伝わるので。

1ヶ月後に2号を出したのですが、2号ではコスギフェスタ(年1回開催されるNPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント(http://musashikosugi.or.jp/)主催の祭り)の開催のお知らせと、ガーデニング特集、共用施設の大浴場問題のワーキンググループのメンバー募集、あとはホームページの機能を追加しました、というお知らせを入れました。

編集部:
IT委員会がベースにあるから、ちょっとずつホームページのお知らせを入れていますね(笑)

本平さん:
そうですね、それが一番身近だったので(笑)


以上、“広報誌” を作るきっかけについて、本平さんの貴重なお話を伺いました。
次回は、7月10日更新予定!
広報誌を制作する上でのよくある悩み事、“独自性の持たせ方”“執筆体制の作り方” 、そして “読んでもらうための工夫” について、ご紹介します。
“はじめてみよう!マンション広報誌(その2)"をお楽しみに!

取材協力

本平 基(ほんだいら もとい)
『パークシティ武蔵小杉SFT通信』編集長(広報委員会委員長)。パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー管理組合第4~5期理事長。本職は、デザイナー・フォトグラファー。地元のお祭り「コスギフェスタ」をはじめ、NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメントの活動にも協力。