日々出費していく家計簿に相当する「管理費」に対し、将来必要になるお金を見
据えた貯蓄、それが『修繕積立金※1』である。
将来必要になるお金・・・マンションの場合は、大規模修繕にかかわるお金のこと。外壁の塗装や屋上の防水工事、配管類の改修など、建物全体に関係する修繕工事は不可欠なもので、これを怠るとマンションは老朽化し、資産価値も落ち、快適な生活ができなくなってしまう。そこで、『大規模修繕※2』にかかわるための多額な費用を、区分所有者全員で計画的に積み立てて将来に備えようというのが、修繕積立金だ。
しかし、将来を見据えた大切なお金であるはずなのに、毎月銀行口座から『カンリヒトウ』という項目でまとめて引き落とされているため、月々いくらの修繕積立金を積み立てているのか理解していない人が多い。また、管理を理事会や管理会社に任せきりで、総会にも出席しないようなマンション管理に無関心な区分所有者は、住んでいるマンションの長期修繕計画自体を大まかにすら把握していなかったりする。国土交通省が実施した平成15年のマンション総合調査では、長期修繕計画を作成している管理組合は83%だったという。裏返せば、まだ長期修繕計画を作成していない管理組合が17%もあるということである。これではいけない。快適な生活を維持するための貯蓄が、現状でいくら貯まっていて、いつどのくらい必要になるのか、計画は作成されているのかを知っておくことが大切だ。
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