
管理員さんから見て、困っちゃう理事長って?
定年後の方など、よく勉強するのはいいんですが、時間があるもんだから規約を細かく見ては、一日中、質問や要求を出されるのはやはり困る。私だって仕事があるんですから。
理事長職を誤解してる場合も多いね。理事長が勝手に物事を決定することはできません。なのに、あのフロントマンは気に入らないから契約をやめるぞとか平気で言ってくる。
ヤル気満々も困るけれど、逆に仕方なく理事長になって、任期満了を指折り待ってるタイプも難しい。重要なことは全部、先送りしようとするんです。それでいて「俺が管理室に行くといつもいない」とか文句言う。清掃作業中はいなくて当然でしょ。ちゃんと分かってよと言いたい(笑)。
理事長になった途端に、クレームばかり言い始める人もいます。それが仕事だと思っているのかな。
「長」が付くと、人格が変わっちゃう人が多いんですよ(笑)。
結局、管理会社やフロントマンへのクレームのはけ口に管理員がなってしまうんです。でもね、こっちの仕事とは関係ない部分のことを言われても困るんです。
私は、高給取りだと勘違いされて嫌味を言われましたよ。
私たちの月給、いくらか知ってますか?
うーん、30万円くらい?
だいたい15~16万円です。勤務時間も報酬も労働基準法ギリギリですよ。
この報酬ですから、私は違いますけれど、ほかの皆さんは道楽でやってるのかと思ってましたよ(笑)。
関連する資格も自費で取ったりしてね。Cさん資格数はすごいんですよね。
危険物取扱とか防火管理、エレベーター管理・・・15個くらいかな。
マ、マニアックですね・・・
でも、そういうことを会社は評価してくれません。
そうした資格をちゃんと仕事に生かせる、本当の意味でプロフェッショナルな管理員を育成すべきだと切実に思います。
そしたら管理員のイメージも変わっていきますよね。
サスペンスドラマでも、犯行現場の鍵を開けるだけの役じゃなくて。
  (笑)
管理員が専有部分の鍵を開けるなんて、本来はありえないのにねぇ。
何だか管理員さんって、つらいことばかりみたいな印象ですけれど・・・この仕事をされてて、やりがいって何でしょう?
必要とされているってことでしょうね。それがやりがいと言えるかな。このマンションに精通しているのは僕だけ。オーナーも管理会社も何も知らない。
最初は、前任者時代のひどい状況を改革しようと意地と正義感から取り組んでましたが、住んでみるといい人ばかりで。お祭だとかのイベントにも必ず声を掛けてもらってますよ。そういう場では、同じマンションの仲間になれる。うれしいですね。
それは住み込みならではの良さですね。
私は、例えば着任したころは幼児だった子が小学生になったりすると、このコミュニティーを守ってきたという実感がある。住民の方たちに「助かってますよ」と感謝されるのが、何よりありがたいですね。
この仕事は大変な面もたくさんありますが、そういう喜びがあるから続けられるんですよ。
今日は、楽しいお話をありがとうございました。 |